
内水氾濫ハザードマップ、作成は全国3割どまり 昨年度末
2026年8月21日(金)日本経済新聞朝刊より
2021年に改正した水防法は、雨水処理の下水道施設がある自治体に内水氾濫時の浸水想定区域図の作成を義務付けた。これを基に内水氾濫ハザードマップの作成も求めるが、25年度末時点の作成状況は全国で32%にとどまる。

国土交通省による調査対象は全国の約1100市町村。都道府県別でみると、東京が8割を超える一方、千葉は4割、埼玉は3割未満と地域差があった。大分、山梨はゼロだった。
背景にあるのは費用や人員の不足。マップ作成には市街地や農地を走る水路など細かなデータの収集が不可欠で、調査の外部委託など費用負担も大きい。
国は浸水想定区域図を策定した自治体にハード整備などの補助金を優先配分する制度を導入している。だがマップ作成は主に外水用が優先され「内水用は後手に回りやすい」(同省担当者)のが実情という。
ハザードマップの情報を住民にどう浸透させていくかも課題だ。
今回の豪雨災害で人的被害が出た千葉県八千代市はホームページなどで内水氾濫向けのハザードマップを公表していた。担当者は「公表して終わりではなく、避難行動につなげられるよう日頃の周知活動をいっそう強化する必要がある」と話す。
▼ハザードマップ 災害の危険性が高い場所を色分けし避難場所などを示した地図。内水氾濫向けのほか、洪水、土砂災害、火山噴火、津波など災害の種類別に状況を示す。不動産売買など経済活動でも参考にされるケースが増えている。
災害への備えを促し、災害発生時の円滑な避難につなげるため、各自治体が改良を重ね地域住民に配布している。マップは国土交通省のポータルサイトでも確認できる。