浸水被害が多発、想定区域外でも千葉、予想上回る豪雨 排水対策の改善必要に

冠水した千葉市中央区のアンダーパス。立ち往生した車が水に漬かっていた(14日)

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2026年8月21日(金)日本経済新聞朝刊より

冠水した千葉市中央区のアンダーパス。立ち往生した車が水に漬かっていた(14日)

千葉県の豪雨被害は、自治体が作成したハザードマップの想定浸水区域外でも相次いだ。被害拡大の要因とみられるのが、従来予想を上回る雨量に排水が追いつかず水があふれる「内水氾濫」。原因究明とともに、防災対策の見直しが求められる。

被害、計3600棟に

豪雨は13日に発生し、全国で初めて「レベル5大雨特別警報」が発表された。20日の県の集計によると、住宅被害は前日から865棟増え、計3600棟超に。今後調査を本格化させる自治体もあり、さらに増える可能性があるという。

同県市原市東国吉では60代男性の遺体が見つかり、災害との関係を調べている。内水氾濫による浸水想定区域外だったが、周辺は床上浸水などの被害がみられた。「全くの想定外だった」。同市担当者は打ち明ける。

内水氾濫は排水能力を超える大雨で用水路やマンホールから水があふれる現象。都市部の下水道は1時間50~60ミリ程度の降雨への対応を基本としているが、今回は多くの地点で1時間100ミリを超えた。

京都大学防災研究所の川池健司教授(防災水工学)は「自治体の想定外の区域で被害が多発した可能性がある」と指摘。想定を上回る雨量によって十分に排水できなくなった結果、千葉市や柏市など県内各地で内水氾濫が起きたとの見方を示す。

千葉市は観測史上最大となる1時間115ミリの雨量を記録した。内水氾濫のハザードマップの想定雨量(153ミリ)の範囲内だったものの、被害は広範囲に及んだ。同市担当者は「検証が必要だが、マップが示していない場所でも冠水が生じた恐れがある」とみる。

近年は気候変動による影響も背景に大雨の発生頻度が高まっている。気象庁の分析によると、1時間あたり100ミリ以上の猛烈な雨は2016~25年に年平均約4.4回。統計が残る1976~85年の同2.2回から倍増した。

内水氾濫56%

国土交通省の調査によると、2014~23年の10年間に起きた全国の浸水棟数のうち、内水氾濫は56%で、河川があふれる外水氾濫など(44%)を上回った。

都市機能の脆弱性を浮き彫りにした今回の千葉豪雨。川池教授は「雨量が想定を上回ったのか、想定されていなかった水の動きがあったのか、まずは原因究明が必要だ」と指摘する。

今後は得られた教訓を生かし、他の都市部の自治体でも想定雨量を見直すなど対策の見直しが求められると話している。