
基準地価、5年連続上昇 建築費高騰 名古屋や札幌、伸び鈍る
2026年9月22日(火)日本経済新聞朝刊より
国土交通省が15日発表した2026年の基準地価(総合2面きょうのことば)は住宅地や商業地といった全用途の全国の前年比上昇率が平均1.5%だった。5年連続で上昇した。賃貸オフィスやマンションの価格上昇が続く都市部がけん引した。建築費の高騰で地方の伸びは鈍化した。(関連記事総合1面に)

7月1日時点の地価動向を調べた。全用途の全国平均の上昇率は前年も1.5%だった。全国の調査地点2万828のうち、上昇したのは49.9%で前年の49.3%から広がった。横ばいは15.7%、下落は34.4%だった。
三大都市圏の全用途平均は25年の4.3%から4.4%に伸びた。東京圏の5.4%が引っぱった。国内外の投資マネーがオフィスやホテル、マンションなどに集まる。
地価が最も高かったのは21年連続で東京・銀座2丁目の「明治屋銀座ビル」だった。1平方メートルあたり5250万円で前年から11.9%上がった。住宅地の最高価格は8年連続で東京・赤坂1丁目の地点で750万円だった。16.6%上昇している。
大規模な再開発が進むエリアでも大きく上がり、東京都中野区のJR中野駅近くの地点は前年から25.0%上昇した。伸び率は東京圏の商業地で2番目に大きかった。
大阪圏は25年の3.4%から3.6%に伸びが拡大した。JR大阪駅近くで大規模再開発が進んでいるほか、大阪市中心部へのアクセスが良い地域でのマンション価格上昇などを映した。
名古屋圏は25年の2.1%から1.9%に上昇率が縮んだ。中心部のマンション高騰に追いつけなくなった実需層が愛知県郊外や岐阜県の戸建てに流れるなど、住居の選び方に変化が見られた。
札幌、仙台、広島、福岡の地方4市は23年をピークに伸び率が縮小している。25年は5.3%、26年は4.1%だった。成長が続く一方で、建築コストの上昇などで住宅の買い控えや商業地再開発の中止・延期が目立つ。地方では賃料が三大都市圏ほどは上昇していないため、建築費高騰分を吸収しきれていない。
JR九州は28年末の完成をめざしていた博多駅の複合ビルの建設計画を中止した。建築費が2倍ほどに膨らんだ。JR北海道も札幌駅直結の再開発計画を見直し、完成時期を28年度から34年度に変更した。
都内でも新築ビルの開発計画の先送りなどが出始めている。米不動産サービス大手のジョーンズラングラサール(JLL)の大東雄人シニアディレクターは「計画の見直しや遅れにより、既存のビルが使われないままとなるような場合は今後の地価にとってマイナス要因になる」と指摘する。